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メカニクス、第7世代読了時間11分
メカニクス、第7世代の目玉

Z技、徹底解説リファレンス

Z技は第7世代サン・ムーンで、1試合1回限りの切り札として登場した。技のタイプと一致するZクリスタルを持たせれば、その技は任意のタイミングでZ技に変換される。威力が上がり、ほとんどの補正を無視し、変化技ならZエフェクトを発動する。第7世代のメカニクスとして、環境を防御寄りから攻撃寄りへと一変させた。

世代

第7世代のみ(SM、USUM)

試合あたりの上限

チームにつき1試合1回

Zクリスタル

属性18種+専用17種=合計35種

発動コスト

持ち物スロット(Zクリスタル)

Z技は、メガシンカの希少性に対する回答だった。メガシンカが48体の特定ポケモンだけに恩恵を与えたのに対し、Z技は普遍的で、どんなポケモンでも持つことができた。コストは持ち物スロットだったが、見返りは必要なときに確実に撃てる切り札だった。
第7世代のデザイン的引用

概要

Z技は、対応するZクリスタルを持たせることで発動する、1試合1回限りの技。ポケモンの既存の技(Zクリスタルとタイプが一致するもの)は、威力の上がったZ技に変換される。変化技の場合、ダメージの代わりにZエフェクト(通常は能力アップ)が発動する。

  • 稼働世代第7世代のみ、サン・ムーン(2016年)とUSUM(2017年)
  • 試合あたりの上限チームにつき1回。Zクリスタルを持ったポケモンが発動する。
  • 持ち物スロットZクリスタルが占有するため、こだわり系道具、いのちのたまなどとは併用不可。
  • 普遍性どんなポケモンも、適切なZクリスタル+一致タイプの技があればZ技を使える
  • まもるを貫通Z技はほとんどの防御技を貫通する(一部例外あり)
  • 無効化は貫通しないタイプ無効は依然として有効(ノーマルZでゴーストに撃っても無効、Z技であってもダメージなし)
  • 廃止時期第8世代以降。ソード・シールド、SV、それ以降の作品ではZクリスタルもZ技も存在しない

Z技の仕組み

ポケモンは一致タイプのZクリスタルを持つ必要がある。Zクリスタルのタイプと一致する技を選択すると、それをZ技に変換するかどうか選べる(そのターンの技を置き換える)。

メカニクス的に

  • 発動:一致するZクリスタルを持ち、かつ一致タイプの技を覚えていることが必要。
  • トリガー:技選択時に「Z」(Showdown/公式ゲーム)を選んで技を変換する。
  • 1試合1回限り:チームあたり1試合につき1回だけ。Zクリスタルは設定上は壊れたり消費されたりしないが、メカニクス上は1回しか発動できない。
  • 威力変換:Z技の威力は元の技の威力をもとに、公開されているテーブルから決定される(次のセクション参照)。
  • タイプ:Zクリスタルのタイプと一致する。タイプ一致補正は使い手のタイプに基づいて通常通り適用される。
  • アニメーション:おおむね6秒のアニメーション(Showdownではスキップ可能)。オフラインゲームでは演出シーンとなり、追加の見せ場になる。

Z技が貫通するもの/しないもの

貫通する

Z技が突破するもの

  • まもる/みきり

    ほとんどの攻撃Z技は貫通する(「まもる貫通」と呼ばれる)

  • みがわり

    Z技はみがわりを一撃で壊し、そのままフルダメージを与える

  • ござのまい

    ほとんどのZ技はござのまいを突破する(一部例外あり)

  • ダメージ補正

    一部の補正は貫通するが、すべてではない

貫通しない

Z技も依然として影響を受けるもの

  • タイプ無効

    ノーマルZをゴーストに撃ってもダメージなし

  • ふしぎなまもり

    効果抜群のZ技のみ貫通する

  • ばけのかわ/アイスフェイス

    ばけのかわは初撃をブロックし、アイスフェイスは通常通り剥がれる

  • 急所と乱数

    Z技も他の技と同様にダメージを与え、乱数と急所が適用される

威力変換テーブル

Z技の威力は、公開されたテーブルに従って元の技の威力に依存する。威力の高い技は、それに比例して威力の高いZ技になる。

標準威力テーブル

元の威力Z技の威力
1-55100
56-65120
66-75140
76-85160
86-95175
96-100180
101-110185
111-125190
126-130195
131+200

特殊ケースの威力

  • 連続技(タネマシンガン、ミサイルばりなど):威力テーブルは1ヒットあたりの威力を使い、合計威力ではない。Bullet Seed(25威力×5ヒット)→ ブルームシャインエクストラ100威力、連続ヒットではない。
  • 可変威力技(ジャイロボール、ヘビーボンバーなど):威力を計算した上で、テーブルが適用される。ジャイロボール100威力→Z技180威力。
  • Hidden Power:HPのタイプに関係なく常に60威力扱い→Zめざめるパワーは175威力。
  • Mega Drain:75威力→140威力ブルームシャインエクストラ(Z版ではHP回復なし)。
  • 一撃必殺技(ぜったいれいど、じわれ、ハサミギロチン、つのドリル):Z技化不可。
  • 複数ターン技(ソーラービーム、ジオコントロール、ゴッドバード):Z版は1ターンで完結する。
  • カウンター/ミラーコート:Z技化不可。

Zエフェクト(変化技)

ポケモンが一致タイプのZクリスタルを持って、そのタイプの変化技を使った場合、ダメージは発生しない。代わりにZ技はZエフェクト(通常は能力アップ)を発動する。これは積み技を圧縮したターンに変える。積みと能力アップを1アクションで同時に行えるのだ。

技タイプ別Zエフェクト

タイプZエフェクト
Normalこうげき+1
Fireとくこう+1
Water能力低下をすべて0にリセット
Electricすばやさ+1
Grassぼうぎょ+1
Iceとくぼう+1
FightingHPを全回復
Poisonぼうぎょ+1
Groundとくぼう+1
Flyingかいひ+1(注:かいひはほとんどの対戦フォーマットで禁止)
Psychic全能力+1
Bugとくぼう+1
Rockぼうぎょ+1
Ghostとくこう+1
Dragonこうげき+とくぼう+1
Darkこうげき+1
Steelぼうぎょ+1
Fairyとくぼう+1

In practice

Zじこさいせい(じこさいせいへのノーマルZ)は、威力0の積み技をこうげき+1の能力アップに変え、かつ回復も維持する。第7世代ではドヒドイデ、スイクン、その他多くの耐久ポケモンが採用していた。最も多く使われたZエフェクト。

専用Z技

8体のポケモンが専用Z技を持つ。特定のポケモンと特定の技に紐付けられたZクリスタルで、同タイプの汎用Z技より威力が高い。

ポケモン専用Z技ステータスZクリスタル
Raichu-AlolaStoked Sparksurferでんきタイプ175威力、相手をまひ状態にするAloraichium Z
SnorlaxPulverizing Pancakeノーマルタイプ210威力、カビゴン専用Snorlium Z
MewGenesis Supernovaエスパータイプ185威力+サイコフィールドを展開Mewnium Z
PikachuCatastropikaでんきタイプ210威力(ピカチュウ専用、キャップ違いは不可)Pikanium Z
EeveeExtreme Evoboost変化技:全能力+2。ゲーム最強の積みZ。Eevium Z
DecidueyeSinister Arrow Raidゴーストタイプ180威力、ジュナイパー専用Decidium Z
IncineroarMalicious Moonsaultあくタイプ180威力、ガオガエン専用Incinium Z
PrimarinaOceanic Operettaみずタイプ195威力、アシレーヌ専用Primarium Z
Kommo-oClangorous Soulblazeドラゴンタイプ185威力+全能力+1Kommonium Z
LunalaMenacing Moonraze Maelstromゴーストタイプ200威力、ルナアーラ専用Lunalium Z
SolgaleoSearing Sunraze Smashはがねタイプ200威力、相手の特性を無視Solganium Z
Necrozma-Dusk-ManeSearing Sunraze Smashソルガレオと同じ(融合形態)Solganium Z
Necrozma-Dawn-WingsMenacing Moonraze Maelstromルナアーラと同じ(融合形態)Lunalium Z
Necrozma-UltraLight That Burns the Skyエスパータイプ200威力、こうげき/とくこうの混合を使用Ultranecrozium Z
MarshadowSoul-Stealing 7-Star Strikeかくとうタイプ195威力Marshadium Z
LycanrocSplintered Stormshardsいわタイプ190威力+フィールドを消すLycanium Z

Worth knowing

一部の専用Z技は特性を無視する。サンシャインスマッシャー(ソルガレオ)はマジックミラー、ふしぎなまもりなどを無視する。ゲーム内で唯一、特性を無視する攻撃Z技だ。

Zクリスタル

属性Zクリスタル18種(タイプにつき1個)+専用Zクリスタル17種=第7世代を通して合計35種のZクリスタル。

属性Zクリスタル18種

ノーマルZ、ホノオZ、ミズZ、デンキZ、クサZ、コオリZ、カクトウZ、ドクZ、ジメンZ、ヒコウZ、エスパーZ、ムシZ、イワZ、ゴーストZ、ドラゴンZ、アクZ、ハガネZ、フェアリーZ。すべて普遍的で、一致タイプの技を持つどんなポケモンでも使える。

専用Zクリスタル(特定ポケモン限定)

アロライZ、カビゴンZ、ミュウZ、ピカチュウZ、イーブイZ、ジュナイパーZ、ガオガエンZ、アシレーヌZ、ジャラランガZ、カプZ(カプ系)、ルナアーラZ、ソルガレオZ、ウルトラネクロZ、マーシャドーZ、ルガルガンZ、ミミッキュZ、サトピカZ(キャップ違いピカチュウ)。

対戦環境への影響

Z技は第7世代を、防御寄りの第6世代OUから、より攻撃寄りの環境へとシフトさせた。1試合1回限りの切り札が常在する脅威となり、チーム編成では「Zを耐えるか」が常にマッチアップに織り込まれるようになった。

戦略的影響

  • 受けポケモンが咎められやすくなる:ドヒドイデ/エアームド/マンタインなどが、Z技によって1~2発で落とされる可能性がある。ハザード設置を慎重にする必要が出てくる。
  • 受け重視構築の実現性低下:Zが常在する以上、受け重視チームは追加のZ対策が必要となり、構築リソースを圧迫する。
  • サブウェポンが脅威となる:ポケモンがZめざめるパワーで特定の相手を吹き飛ばせる(例:Zめざめるパワー(ほのお)でナットレイを破壊するジバコイル)。
  • 積み技がZエフェクト化:Zねごとは全能力+1(ランダム効果)。Zじこさいせいはこうげき+1と回復を両立。「Z技」と「Zエフェクト」の境界がチーム編成を曖昧にした。
  • 持ち物の枠:Zクリスタルの枠は、こだわり系道具、いのちのたま、ハザード対策道具を全て排除する。1体のポケモンの持ち物を完全に占有する。

禁止指定なし

Smogonは一度もZ技そのものを禁止しなかった。特定のポケモン(メガミュウツー、メガレックウザなど)は既により上位のティアにいた。Z技自体は第7世代を通してOUで合法のままだった。

象徴的なZ技使い

一部のポケモンは、Z技で環境を破壊したり、自身のスイープのお膳立てを作ったやり方で、特に記憶に残っている。

ポケモンよく使われるZ技理由
PheromosaZビーストブースト連発スピード+こうげきの壁破壊役で、Z技から別のKOへ繋げて試合をひっくり返した。
Ash-GreninjaZハイドロポンプきずなへんげ+Zハイドロポンプ=耐久型みずタイプを満タンから一撃で落とす。
KartanaZせいなるつるぎこうげき176+ビーストブースト:Z技で壁を落とし、その後複数KOへとスノーボールする。
HeatranZソーラービームためターンを飛ばし、ロトム(ウォッシュ)を一撃で落とす。第7世代ヒードランを象徴する型。
MagnezoneZめざめるパワー(ほのお)ナットレイ/エアームドが落ちる。じりょくでトラップしてから一撃で潰す。
ToxapexZじこさいせいこうげき+1+全回復。象徴的な耐久型。
Tapu LeleZハイパーボイス/Zサイコキネシス既に強かった技がZ技でブレイクスルー性を獲得した。チーム1個のZクリスタル制限が選択を迫った。
相手のZ技を見るまでゲームには勝ってない。試合前の偵察ではいつも、誰がZを持っているのかが問われる。
第7世代のキャッチフレーズ

第8世代での廃止

Z技はメガシンカと共に、第8世代(ソード・シールド、2019年11月)の冒頭で引退した。Zクリスタルは第8世代以降では機能しない。このメカニクスはSM/USUMと、ポケモンバンク時代のカタログ上にしか存在しない。

Z技が廃止された理由

  • ダイマックスへの置き換え:ゲームフリークは第8世代の新たな1試合1回限りメカニクスとしてダイマックスを選んだ。仕組み(HP倍化+3ターン)は異なるが、役割は同じ。
  • 持ち物バランス:Zクリスタルは持ち物スロットを縛っていた。ゲームフリークは第8世代で、持ち物縛りのないダイマックスへ移行した。
  • アニメーション:Z技の演出シーンは賛否両論を呼ぶ要素となった。評価する人もいたが、長いアニメーションを嫌う人もいた。

Z技復活の可能性

ZクリスタルはポケモンHOMEではカタログ上の道具として表示されるが、第8/9世代の対戦ではZ技を有効化しない。ポケモンGOもZ技を採用していない。2026年4月時点で、Z技は第7世代に世代固定されており、戻ってくる道はない。

よくある誤解

  • 「Z技はタイプ無効を貫通する」、誤り。タイプ無効は依然として有効。ノーマルZをゴーストに撃ってもダメージなし、それだけだ。
  • 「Z技は複数回使える」、誤り。チームあたり1試合1回限りで、ポケモンあたり1回ではない。
  • 「Zクリスタルは使用後に壊れる」、誤り。Zクリスタルは持ったまま残る。再使用を防ぐのはチームレベルの「1回」フラグだ。
  • 「Z技の威力は元の2倍」、誤り。威力は乗算ではなく、固定テーブルで決まる。50威力の技は100威力のZ技になる(×2)。130威力の技は195威力のZ技になる(×1.5)。元の威力が高い技ほど、比率的なブーストは小さい。
  • 「Zエフェクトはランダム」、誤り。変化技に対するZエフェクトは技のタイプに基づいて確定的に決まる。Zねごとは唯一ランダムに選ぶZ技だ(ねごと自体がランダムだから)。
  • 「Z技はみがわりを貫通する」、部分的に正しい。Z技はみがわりを一撃で壊し、そのままフルダメージをポケモンに与える。これは独特だ。ほとんどの技はみがわりにダメージを与えて止まるか、壊すだけでそれ以上ダメージを与えない。
  • 「Zクリスタルはトリックや交換で相手に渡せる」、誤り。Zクリスタルはメガストーン同様、道具を奪う技から保護されている。

次に読むべきもの

Z技は世代固定だが、第7世代OUとVGCに与えた影響は土台となっている。完全な文脈は時代別ガイドで読もう。